JRの切符は原則1カ月前の10時から発売が開始されます。
特にお盆や年末年始など繁忙期の一カ月前には発売が開始される10時ちょうどを狙う(10時打ちと呼ぶことが多い)人も多く、朝早くから窓口に長蛇の列が出来ていることも珍しくありません。
ただ、昨今ではインターネットや指定席券売機でも10時から購入が可能ですし、一部サイトでは事前受付もあります。今回は特にJR各社のインターネット予約サイトをご紹介したいと思います。
- インターネット予約のメリット
- JR東日本・北海道「えきねっと」
- 便利なポイント
- 不便だと思う点
- JR東海「スマートEX・エクスプレス予約」
- JR西日本・四国「e5489」
- JR九州「JR九州インターネット予約」
- 便利な活用法
インターネット予約のメリット
まずはインターネット予約によるメリットをご紹介します。「インターネットは難しいし面倒くさいから…」というのは正直勿体ないのです。
チケットレスが安くて便利
インターネット予約のほとんどで「チケットレスサービス」が導入されています。
これは、特急券など元来紙の切符として印刷していたものを電子上で完結させるもので、スマートフォンの画面や確認画面を印刷したモノを持参すれば新幹線や特急列車に乗車できるという優れモノです。
このチケットレスのメリットは何といっても割引が付くこと。窓口に並ぶ必要もなく割引まで適応されます。
また、チケットレスの特急券では多くの場合発車時間直前まで無料で何度でも変更し放題なことも大変なメリットです。通常の紙の切符だと一度までしか無料で変更が出来ませんし、窓口で変更しなければいけないものもあります。移動中に「一本前に変更しちゃお」なんていう風に簡単に変更できるのは大きな魅力です。
早割など割引サービスの存在
インターネット予約では早めに列車を予約すると割引価格が適応されるものもあります。大きいものでは35%割引になったりするなど、侮ってはいけない金額になります。事前に予定が決まっている際にはぜひ活用したいサービスです。
ポイントの還元率が高い
インターネット予約では大体各社のポイントサービスと提携し、通常窓口で購入するよりも大幅にポイントの還元率が高くなるようになっています。鉄道各社もなるべくインターネットにて予約をしてほしいのでしょうから、こうした誘導が行われている訳です。こういう流れには乗れるうちに乗っかっておくのが吉でしょう。
座席を自ら指定できる
窓口で特急券を購入するとき、座席の位置は窓際・通路側など指定することは出来ますが、「隣が埋まっていない座席」とか「車両の後ろ側」だとか自身の希望を多く伝えるのはなかなか大変ですし現状の席の埋まり具合を把握できないこともあります。
インターネット予約ではほとんどの場合、リアルタイムに座席の埋まり具合を確認しながら自分の好きな座席位置を簡単に抑えることが出来ます。「三列掛けの窓際で、中央の席が埋まっていないところで…」なんて言わずとも、自分自身の好きな席を選び指定できます。
JR東日本・北海道「えきねっと」
まずは「えきねっと」から。こちらは主に北海道・関東・東北の新幹線や特急を予約する際に便利なサイトになります。
便利なポイント
1カ月前の10時ちょうどから発売開始
えきねっとは10時ちょうどから発売が開始されます。つまり、駅の窓口と全く同じ時間から切符を抑えることが出来るわけです。ただ、特に繁忙期1カ月前はアクセスが集中するためサイトがとてつもなく重たくなります。
事前予約あり
えきねっとではこの1カ月前よりもさらに1週間前から事前予約を申し込むことが出来ます。これは簡単に言えば10時打ちを公式に依頼できるようなサービスです。詳細に関しては公表されていないのでわかりませんが、事前申し込みは座席を必ず確保することは出来ないことに注意が必要です。
日本全国のJRの新幹線・特急列車を指定できる(一部対象外アリ)
えきねっとは何と日本全国すべてのJR線に対応しております。すごい。
ただし切符の受け取りなど一部注意点はあるので留意する必要があります。
また、JR東海管内以外の列車に関しては座席指定をすることも出来ます。すごい。
JR東海管内の東海道新幹線や特急列車は窓際、車両内の位置などある程度の希望をすることは出来ますので、ある程度の融通は効きます。
不便だと思う点
新幹線eチケットの乗車券
東北新幹線などにICカードのみで乗車でき割引もある便利でお得なサービスなのですが、こちらのサービスで唯一不便なのは乗車券が東京などで打ち切りになってしまう点です。つまりこのサービスは新幹線停車駅同士を移動するなら最高に便利ですが、在来線を使用する場合は損をすることもありますので要注意です。
会員登録必須・直前はクレカ決済のみ
えきねっとでは予約や空席状況確認などをする際に会員登録が必須になります。登録すればよいだけなのですが、列車に乗る直前で登録して予約しようとすると思った以上に時間を要してしまうこともあるので注意が必要です。また、直前予約(恐らく当日)ではクレジットカード決済のみになります。現金派の方やクレカを作れない年齢の方には厳しいものがあります。
東海道新幹線は座席指定不可
えきねっとでは東海道新幹線を予約する際座席の指定が出来ません。一応窓側・通路側、車両内の位置は指定することが可能です。これは東京や品川などを通るものの東海道新幹線はJR東海が管理しており、後に述べるスマートEXという別のサービスと競合するからであると予想します。
「サンライズ出雲・瀬戸」の寝台席は予約不可
東京駅と島根県の出雲市駅、香川県の高松駅とを結ぶ人気寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸号」。人気の列車であるが故、時期によっては発売開始から即売り切れなんてこともあるこの列車。「えきねっと」からは通常の指定席と同じ扱いをされる「ノビノビ座席」のみ予約することが出来ます。
寝台室をネット予約する際には後述する「e5489」サイトから予約する必要があります。
JR東海「スマートEX・エクスプレス予約」
JR東海は東海道新幹線のインターネット予約サービスを展開しています。
在来線特急等のインターネット予約サイトはありません。
とはいうものの、先述のえきねっと(座席指定不可)や後述するe5489(座席指定可能)にて予約出来るので、不便すぎることは無いと思います。
スマートEX(無料)【山陽・九州新幹線でも利用可】
まずは無料サービスであるスマートEXからご紹介。
こちらは東海道・山陽・九州新幹線に対応している予約サイトで、ICカードで乗車可能になったり早期に予約することで割引価格で利用できるようなサービスがあります。
便利なポイント
最速で1年前から予約できる
なんとスマートEXでは1年前から新幹線の予約をすることが可能です。ただし、座席指定が出来ないなどの制約があるので要注意です。事前に予定が決まっている際に大いに活用したいサービスです。
早割などの割引サービスの充実
スマートEXには早割と呼ばれる早期予約割引サービスが展開されていて、最安で東京ー新大阪で2480円引きなど魅力的な割引商品があります。ただ、割引商品が故に予約の変更が出来ないなど制約があることが殆どなので予約時は注意が必要です。
変更し放題・キャンセル手数料もお得に
ネット予約の大きな利点である変更やキャンセルの部分に関しても抜かりなし。
スマートEXでの予約は直前まで手数料無料で変更し放題であることに加え、キャンセルによる払い戻し手数料は驚異の320円です。通常払い戻す際、当日ならば特急券であれば30%分が払い戻しの手数料になります。ネット予約では直前でも手数料が変わらないので予定が変わり易い場合などは絶対おすすめします。
不便なポイント
クレジットカード必須
このサイトに関してはどのサービスについてもクレジットカードが必要です。クレジットカードを所持していない人は使用不可なので要注意です。
首都圏の一部の駅では受け取りが出来ない
特に首都圏に住んでいる人で、東海道線沿線に住んでいる方は要注意です。受け取り可能なのが東京都区内と横浜市内の駅、川崎駅、新幹線が止まる小田原・熱海駅のみになります。藤沢駅や平塚駅では受け取ることが出来ないので新幹線停車駅まで向かうか上記のエリアにて受け取りましょう。
EX予約(有料)【山陽・九州新幹線でも使用可】
次に年会費が1100円発生する有料会員サービスであるEX予約をご紹介します。
主に東海道新幹線を利用する機会が多い方にオススメのサイトです。
便利なポイント
いつでも会員価格になる
これはEX予約の一番のメリットです。このサイトからの予約であれば年中割引価格で新幹線を利用することが出来ます。
ただ一体いくらぐらいお得なのか…利用者がそんな疑問を抱くことを見越したように、通常運賃などとの比較サイトが用意されています。
このサイトにて試しに東京ー新大阪間での差額を調べてみると片道で490円の差額があるとのこと。なんと1.5往復で年会費分の元は取れるのです。お得ですね。
不便なポイント
新規でクレジットカードを作成するか、すでに持っているクレカに情報を紐づける必要アリ
どう書くべきか大変悩んだのですが、このEX予約という会員サービスは「大人の休日倶楽部」と似たような部分がありまして、専用のICカードが手元に届かないと使用を開始することが出来ません。このICカードを入手するには「JR東海エクスプレス・カード」というクレジットカードに入会するか、既に所持している対象内のクレジットカードに情報をプラスする必要があります。
日常的に新幹線を利用される方には大変お得なサービスなので、早めに登録をされると良いと思います。タイムラグがあるのは致し方ないですが注意が必要です。
無料会員と有料会員の比較
JR東海のサイト内に上記の2つのサービスの比較図が掲示されていたのでこちらを参照していただけると分かり易いと思います。
JR西日本・四国「e5489」
次は主にJR西日本が展開する「e5489」をご紹介します。
こちらは主にJR西日本管内やJR四国・九州・東海などJR東日本管内より西のエリアであれば大方このサイトで済んでしまうような守備範囲の広いサービスとなっております。
便利なポイント
会員登録不要
なんとこのサイトでは会員登録をせずとも予約をすることが出来ます。
ただ、ポイント還元や毎回の情報入力の手間が省けるので会員(wester会員)登録することをお勧めします。ちなみに会員登録は無料です。
JR東海管内の列車を座席指定して予約可能
e5489ではJR東海管内を走る特急列車や東海道新幹線を座席を指定して予約することが可能です。特にJR東海の特急を座席指定してネット予約できるのはこのサイトだけなので活用していきたいところです。
事前申し込み可能
e5489では事前予約が可能です。期間は乗車日一カ月前からさらに一週間前の5:30からになります。これは先述したえきねっとと同じものなので、座席が確保できない可能性もあるので要注意です。
早期予約割引サービスの充実
e5489では「早特」と呼ばれる早期予約割引サービスが展開されている他、こだま号の指定席を乗車日前日までに予約すれば割引が適応される「こだま指定席きっぷ」や北陸方面で利用できるチケットレスのフリー切符なども販売されております。
不便なポイント
東北・北海道地方の予約は出来ない
e5489ではJR東日本の首都圏から離れたエリアから北の部分は予約できません。
正直えきねっとを使えばいいのですが、まとめて長距離の切符を予約したい際には注意が必要です。
クレジットカード払いの場合は受け取りの際にカード持参必須
クレジットカードにて決済した後、駅で切符を受け取ろうとする場合には決済に使用したクレジットカードが必要になります。家に忘れてしまったりした場合、切符は受け取れないので注意が必要です。
JR九州「JR九州インターネット予約」
最後にJR九州のネット予約に関してご紹介します。えきねっとのような名称がないようなのでこういう表記にしました。
JR九州・西日本エリアの列車が予約可能です。主に九州内の特急や新幹線、直通する山陽新幹線を予約することが主な使用用途になります。
便利なポイント
当日予約でも大きく割引される
こちらのサイトでは他のサイトと同様にネット予約限定の割引きっぷが用意されていますが、特筆すべき点は当日でも予約可能な割引きっぷがあり、かつその割引率が高いことです。
例えば博多から長崎まで特急列車と西九州新幹線を乗り継ぐ場合、指定席利用で通常6050円のところを当日でも予約可能な「かもめネットきっぷ」では4200円と大幅にお得になります!他にも早期予約による割引も用意されているので活用したいサービスです。
ネット予約にほしい機能は全てある
正直に申せば今までご紹介してきたサービスと被ってしまうのですが、この予約サイトにはほしい機能は大体実装されております。乗車変更は受け取り前なら何度でも可能ですし、座席指定も出来ますし、クレジットカード以外にもコンビニ支払いなど様々な決済手段が用意されていますし、九州内で使う分には申し分ないサービスになっています。
不便なポイント
会員登録必須
もうこれぐらいしか述べる点がありません。列車のシートマップを確認する部分からは会員登録が必須になります。
東京・品川・新横浜発着の切符が予約できない
これもJR九州のサービスである以上言いがかり的な部分があります。九州から東京まで新幹線を乗り通す需要がどれだけあるのかは何とも言えないですが、直通便もあるため九州在住の方でポイント等を貯めている方には少々厳しい措置でしょう。
便利な活用法
基本は在住しているエリアのサイトを使うのが便利
普段特急等を利用する場合には、在住している地域の予約サイトを使用するのが良いでしょう。ポイントサービスなども充実しており、会社によってはクレジットカード等も用意されているので、普段のお買い物なども合わせればさらにお得に生活することが出来ます。
旅行の際は「えきねっと」か「e5489」がおすすめ
自分が在住していない土地への旅行の際には広範囲で使用できるえきねっとかe5489を使用するのがオススメです。特に長距離を移動する場合などはおすすめです。そこまで大きな移動がなければ旅行先のサイトを使用するのが一番便利ですが、登録が必要なこともあるのでその辺りは注意が必要です。